楽器のお手入れについて(2022年3月3日)

 これまでのトピックをこちらに載せています。

こんにちは。
少しずつ春の陽気になってきました。🌸

ひなまつり

空気もまだ乾燥していて、 楽器の状態にも気をつけないといけないこの頃です。

今日はバイオリンを弾くにあたり、 楽器の健康状態を保つポイントや、 私が日ごろからしているちょっとしたメンテナンスの方法を書きたいと思います。

🎻バイオリンにとっての最適な湿度

バイオリンにとって、1番大敵なのは湿気です。
湿度が高いと、楽器も鳴りにくくなりますし、 湿気によりバイオリンの表板や裏板がはずれてしまう… なんてこともたまに聞きます。 (バイオリンはニカワ、という、塗料で板と板をくっつけられており、 それが湿気により剥がれてしまうためだそうです。)

次に乾燥もあまり良くなく、乾燥により楽器の板にヒビが入ることがあります。 また、弓の毛は毎回弾く前に張ってから使うのですが、 あまりに乾燥してると、弓の毛が縮んで毛の張り過ぎみたいになってしまうこともあります。

楽器に良いとされている湿度は、だいたい50%台と言われています。 人が快適、と思う湿度と似ていますね! 不快な季節は、除湿器、加湿器をうまく利用して調節していくのが1番ベストです。

湿度計

↑上の写真は湿度計です。冬は窓をあけたり、暖房などつけていると、湿度計で30%台になることも…。
バイオリンを弾かない時は、必ずケースにしまい、チャックもしっかり閉めて保管しましょう。


🎻バイオリンを弾く時に気をつけたい事

初めてバイオリンを習う方は、バイオリンを購入したけれど、弾いてみたら、全然音が鳴らない…!! と、びっくりされる方もいます。

バイオリンは購入時、弦はある程度調弦してあると思いますが、 弓は毛が新しい場合は、つるつるなので、そのまま弾いても音が出ません。 (楽器屋さんにより、すでに松脂をつけておいてくれている場合もありますが。)
弓には松脂をしっかり塗って、摩擦がおきないと弦を鳴らせません。
最初は少し多めに塗り、しっかり毛に馴染んだら、 毎回練習の初めに、少しずつ塗ると、音がしっかり鳴ってくれます。

松脂

↑松脂(いろんな種類があります!) ちなみにこの塗り方は溝が出来ててあまりオススメしないです…😅
なるべくまんべんなく、平に塗る方が長持ちします…。
ついつい、こんな風にしてしまいます😓😅

弓の毛は練習の前に張り、練習が終わったらかならずゆるめます。 よく弓の毛の張り具合が分からないと質問を受けますが、 あまりピンと毛を張りすぎてしまうと弓に負担がかかってしまい、 弓の木の部分が折れてしまう原因になります。
逆に緩すぎると、弾力が無く弾きにくいです。
目安ですが、だいたい、すこし指で毛を押して弾力があり、弓の木の部分に毛がつかない、くらいでしょうか…?

これはゆるめた状態↓

緩めた弓

ちょうど良い張り具合↓

ちょうどよい弓

これはちょっと張りすぎです。↓

張りすぎた弓

弓と弓の毛がパンパンに引っ張り合っていて、弓の木の部分に負担がかかります。

乾燥していると、さらに弓の毛がパンパンに張ってしまいます。 私は冬は気持ち、弓の毛はゆるめで使っています。

🎻日ごろからのバイオリンの個人的なチェックポイント

私個人的に日ごろからチェックしている事もあるので少しご紹介します。
ここで紹介するチェックは、バイオリンの弦を自分で張り替えられるようになった頃から出来るかなと思うのですが、 初めての方などはすこしご自身でされるのは難しいかと思いますので、レッスンの時に定期的にチェックしますね。

楽器の駒(コマ)の角度と、駒が歪んでいないかを定期的にチェックしています。 駒というのは、下の写真の位置に立っている木の板です。 バイオリンを横から見た時に駒が少しだけ後ろに反ってるかな? と思うくらいが直角だと教わったことがあり、それ以来気をつけています。

横から見た駒

↑駒が前にお辞儀していたりすると、倒れる原因になります。

まだバイオリンを初めてまもない頃、駒が倒れ、弾けない状態になり、 なんとか直そうと、駒をボンドで引っ付けて、先生に驚愕された覚えがあります😱
その時、駒は弦の張力で立っていることを初めて知りました。苦笑

あと、上から見た時も駒が直線であることを確認します。

上から見た駒

駒は弦の張力で立っているので、弦を張りかえたりした際に駒が前に引っ張られたりする事もあり、 その影響でだんだん歪んでいくこともあります。 歪んだ状態にしておくと、駒自体が曲がってしまう原因になります。

駒の状態は、自分の中では大事なポイントかなと思っているので、定期的に確認しています。

🎻自分の楽器の事を知ること

ほとんどの方が、バイオリンをご自身の楽器で演奏されると思いますので、 楽器を良い状態に保つ、というのは、練習のモチベーションアップにも繋がりますし、 楽器の事を知る事は、お子さんも自分の楽器に愛着が湧き、大事にする気持ちが生まれていきます。

良い楽器は、もちろん良い音が出ますが、それプラス、良い健康状態、というのもとても大事になります。

特にフルサイズ(大人のサイズ)になってからは、大体の方が長い期間、同じ楽器を弾くことになると思います。 良い音が出せるよう、日々の管理も行って、定期的に職人さんに楽器の点検をしてもらうと、 より長く良い状態を保てます!

🎻バイオリンのお手入れのまとめ

まとめですが…日々のお手入れは、

1. バイオリンを弾いていない時はケースにしまい、チャックも締めます。

2. 弓の毛は必ず弾きはじめに張り、松脂を塗ります。
練習後は、弓の木の部分に松脂がついていれば軽く拭き取り、弓の毛をゆるめてからしまいましょう。

3.バイオリンを弾き終わったら、必ず弦を柔らかい布で拭いて松脂を落とすようにしましょう。
長期間拭かないと、弦に松脂がこびりつき、ザラザラした音になります。

4. 保管の場所は直射日光やエアコンなど直接風があたらない場所にしましょう。

これを日々出来ると、音が鳴りにくい…変な音がする、、など、だいぶ防げるようになります。😃
少し手間ですが、良い音の維持のため頑張ってください!😊